寓話封筒
- 物販商品(自宅から発送)あんしんBOOTHパックで配送予定¥ 1,000
世界の果てに棄てられた薔薇の封筒から産出いたしましたこちらの寓話。 一口大に切り分けた寓話のなり損ないを珈琲一杯分の金銭でお愉しみいただけます。 お味に関しましては下記にご用意いたしましたご試食品をどうぞ。基本的に短編と詩のなり損ないの詰め合わせ品でございますが、何が混入されるかは店主の気分と気圧によります。 オーダーの際にモチーフなどご希望がございましたらご遠慮なくお書き留めください。但し、生物ゆえにご希望に添えぬ場合もございます。 別製品の『アリス製造器』と比較いたしますとつつしまやかなサイズ感のお品物になっております。具体的に言うと2000字以内。 正しい寓話はなにひとつ入っていないことをご留意ください。
ご試食品
" 真珠色の首すじをした令嬢 甘いだけの無花果の焼き菓子 何物にもなれない君と僕 僕は焼き菓子を食べるから 君は令嬢を殺してくれ。 " " 祈り、 崇め、 奉り、 心の安寧を得る。 " " 人工の球根でなければ 造花は綻ばぬでしょう 私は花やかな嘘を売る " "' 腐れ 腐れ おまえは肉だ うつくしいかたちをしただけの ただの肉だ 腐って腐って蛆が湧いたらあたしが蛆ごと喰ってやる " " 世界を 詰めた 地獄 " " その子は綺麗な瞳をしたお人形だった。ふうと吹いた硝子玉みたいに綺麗だった。ぼくはあんまりにもその子の瞳が綺麗なので、ぼくの飲みかけのラムネの瓶に詰まったビー玉と交換することにした。ラムネのビー玉は、どうやったら綺麗に取り出せるだろう? ぼくはその子に尋ねた。 「ねぇ、きみの眼球とぼくのビー玉を取り替えっこしたいんだけど、どうすればいい?」 その子はひっと声を出した。こんなに綺麗なお人形が喋るんだ、とぼくは嬉しく思った。だからぼくはギザギザの入った給食のスプーンをその子の瞳に、 "